東京五輪、IOCが延期含め検討 中止は否定
(CNN) 国際オリンピック委員会(IOC)は22日、新型コロナウイルス感染拡大への対応策として、東京オリンピック(五輪)の延期を含めた複数のシナリオを検討していることを明らかにした。
IOCは先週、東京五輪の開催について「抜本的な決断」の必要はないとの見解を示していたが、22日の声明ではシナリオの検討を通し、「選手や関係者全員のために最良の決断」を目指す姿勢を示した。
バッハIOC会長は一方で、東京五輪を中止すれば「1万1000人の選手や応援する全ての人々の夢を壊す」ことになると述べ、「中止は何の解決にもならず、だれのためにもならない」と強調した。
バッハ氏は、新型ウイルスをめぐる日本の状況はかなり改善しているとしたうえで、世界的には感染者が急増し、選手の練習にも影響が出ているとの認識を示した。各地で予選の中止も相次いでいる。
日本オリンピック委員会(JOC)でも、女子柔道メダリストの山口香理事が先週、選手の練習が十分にできないことを理由に開催延期を主張。
IOC内部ではカナダのアイスホッケー選手、ヘイリー・ウィッケンハイザー委員が、予定通りの開催にこだわる姿勢は「無神経で無責任」だと批判していた。
20日は米国水泳連盟、21日には米国陸上競技連盟からも延期を求める声が上がっていた。
ただしバッハ氏は、延期も「極めて複雑な難題」だと指摘。課題の「ほんの一例」として、すでに予約されているホテル宿泊のキャンセルや、各種目の国際大会の日程調整を挙げた。