全豪オープン、大会中に無観客開催へ変更 変異株の拡大受け
(CNN) テニスの全豪オープンが、通常であれば最もにぎわう数日間を無観客で開催する見通しであることが分かった。会場のあるビクトリア州が新型コロナの変異ウイルスの感染拡大を抑え込むべく、5日間のロックダウン(都市封鎖)に踏み切るためだ。
当局はこれまで、メルボルン市内にある隔離用ホテルの従業員1人に関連して新たに13人の感染を確認した。この従業員は8日、英国で報告されている新型コロナの変異ウイルス検査で陽性と診断されていた。ビクトリア州のアンドルーズ州首相が12日に会見で明らかにしたところによると、これらの感染者のうち5人は過去24時間で確認されたという。
アンドルーズ氏は、非常に感染力の強い変異ウイルスが大変なスピードで移動しているとし、これを抑え込むため州政府は短期間ながら厳格なロックダウンを行うことを余儀なくされたと表明した。
変異ウイルスについては「新たな種類の敵」と形容。「より賢く、より素早く、感染力も上がっている」としたうえで、ワクチンが手に入るまではあらゆる方策を取ってウイルスを抑え込まなくてはならないと強調した。
オーストラリアではまだ新型コロナワクチンの接種が始まっていない。
全豪オープンの試合は引き続き行われるが、13日からは無観客での開催となる。大会を運営するテニス・オーストラリアは試合について、放送のみとする緊急対応策を実施すると発表。すでに該当する試合のチケットを購入したファンには代金の払戻しを行うと述べた。
アンドルーズ州首相は、ロックダウン中の外出を認めるケースとして、生活必需品の買い物、病人や高齢者などの介護、運動、政府から必要不可欠と認められた仕事に従事する場合の4つを挙げた。