楽天の三木谷氏、東京五輪開催は「自殺行為」
東京/ニューデリー(CNN Business) 楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は14日、CNN Businessとの単独インタビューで、日本が今夏に東京五輪を開催するのは自殺行為だとの認識を示した。
日本が依然として新型コロナウイルス禍に見舞われる中、三木谷氏の発言は、五輪開催に懸念を示す企業経営者の声の中でも最も強いものの一つとなっている。
三木谷氏はインタビューで、政府に五輪中止を働きかけてきたと説明。日本政府のコロナ対応については「10点中2点」との評価を下した。今年の五輪を巡っては日本の他の著名経営者からも懸念の声が出ているが、三木谷氏ほど批判的な発言はなかった。
三木谷氏はCNN Businessに対し、「世界中から参加者が来る大規模国際イベントを開催するのは危険だ。リスクが大きすぎる」とした上で、「メリットはそれほど大きくない。それにインドやブラジルを含め、多くの国は今も苦しんでいる状況だ。まだ祝う時期ではない」との認識を示した。
五輪中止はまだ可能だと思うかとの質問には、「現時点ではあらゆることが可能だ」と指摘。安全に開催するのは「難しい」と思うとも述べた。
日本ではコロナ感染者の増加に伴い、多くの人が五輪中止を求める請願書に署名している。今週は有力経営者からも懸念の声が相次いだ。
ソフトバンクグループの孫正義社長は13日、米CNBCに対し、日本と他国の両方の状況を踏まえ、五輪が予定通り今夏に開催されることを「恐れている」と発言。
有力スポンサーであるトヨタ自動車の長田准執行役員は、五輪を前に国民の不満が選手に向けられていることについて、「心を痛めている」と表明した。