五輪開催めぐり高まる不満、スポンサーのトヨタが「心痛める」
(CNN) 東京オリンピック・パラリンピックの開催をめぐって国民の不満が選手に向けられていることについて、トップスポンサーのトヨタ自動車役員が「心を痛めている」と発言した。
日本で新型コロナウイルスの症例数が増える中、国民からは大会を開催するのが適切かどうかを疑問視する声が出ており、出場予定の選手個人に対してそうした不満の一部が向けられた。
トヨタ自動車の長田准執行役員は「医療の不安からだと思うが、国民の一部の方の不満がアスリートの皆さんに向けられている状況については、スポンサーとして本当に心を痛めている」と語った。
トヨタはオリンピックパートナーズ(TOP)プログラムを構成するグローバル企業15社の中の1社として、最高位のスポンサー契約を結んでいる。
長田氏はさらに、スポンサーとしてどうすればいいのか日々思い悩んでいると述べ、「全てのアスリート、国民のみなさまが、安心して東京大会を迎えられることを切に望んでいる」とした。
感染の拡大を受けて3度目の緊急事態宣言を延長する中で、ボランティアや選手、関係者、国民の安全に対する不安は高まっている。東京オリンピックの中止を求めるオンライン署名運動にはここ数日で20万を超す署名が集まった。
米国陸上競技連盟(USATF)は12日、大会をめぐる不確実性を理由に、千葉で予定していた事前キャンプを中止すると発表した。
日本国内ではオリンピックの「ホストタウン」528自治体のうち少なくとも35自治体が、大会中の選手の受け入れを中止している。
国際オリンピック委員会(IOC)のマーク・アダムス広報責任者は12日、記者団に対し、国民の不安が高まる中でも大会は予定通りに開催すると強調した。