競泳での「アフロ水泳帽」使用、五輪で承認を EUの議員グループがIOCに書簡
(CNN) 反人種差別と多様性を支持する欧州議会の議員グループが20日までに、国際オリンピック委員会(IOC)を含む国際的なスポーツ団体に対して、「有色人種、とりわけ黒人女性を排除する組織的な仕組みやルールが存在する」と非難した。黒人のアフロヘアに対応した水泳帽の使用禁止を引き合いに出している。
これらの議員は、IOCのトーマス・バッハ会長や世界陸連のセバスチャン・コー会長にあてた書簡の中で、国際水泳連盟(FINA)が黒人のアフロヘアに対応した英水泳帽ブランド、ソウルキャップの製品を五輪などの世界大会で事実上使用禁止としていることに言及。「黒人の頭髪に対する非難を反映しており、組織的な不平等につながる。特に黒人の女性を標的にしている」と主張した。
ソウルキャップは英BBCの取材に答え、FINAによる不承認の理由について、水泳帽が「頭部の自然な形」に合っていないためと説明されたと明らかにした。同社の水泳帽は「密集かつカールした、量の多い髪」に対応できるようデザインされているという。
上記の書簡はCNNが独占的に共有したもの。そこでは五輪がフェアプレーと平等の理念に根差したものだとの理由から、ソウルキャップの使用禁止を解除するように求めている。
当該の議員らは本件に特別な関心を寄せているとし、欧州連合(EU)が掲げる平等と反差別の価値観に言及。EUの条約では加盟国に対し、あらゆるスポーツ大会で公平さと寛容さを奨励するよう促しているとも指摘した。
FINAは今月2日、ソウルキャップの使用を認めないとした判断について再検討すると発表したが、記事執筆の時点ではいかなる判断も示していない。CNNはFINAに連絡を取ったが返答はない。