「超人」バイルズも人間だった――期待の選手を棄権に追い込んだ心の重圧

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体操女子団体総合の決勝で声援を送るバイルズ選手/LOIC VENANCE/AFP/AFP via Getty Images

体操女子団体総合の決勝で声援を送るバイルズ選手/LOIC VENANCE/AFP/AFP via Getty Images

(CNN) 東京オリンピック(五輪)の体操女子団体総合決勝戦で棄権した米代表のシモーネ・バイルズ選手。今大会は連覇を狙い、再び輝かしい演技が期待されていた。しかしファンに見せたのは、これまで見たことのない姿だった。

バイルズ選手は前回大会で完璧に成功させた跳馬の技に挑んでいた。空中で後方に身体を2回半ひねる回転跳びをして着地するこの技は、平均的なオリンピック選手にとって極めて難易度が高い。しかしバイルズ選手は軽々とこなしているように見えた。

しかしCNNのスポーツアナリスト、クリスティン・ブレナン氏によれば、27日のバイルズ選手は空中で「迷ったように見えた」という。ほとんどひざをつきそうになりながら着地すると、泣きそうな様子で退場した。数分後、バイルズ選手の棄権が発表された。

ブレナン氏は「最悪の悪夢」と形容する。

バイルズ選手の棄権はスポーツ界を驚かせ、米国の大勢のファンを驚かせた。ファンはバイルズ選手が最も難易度の高い技を、まるで公園の遊具で遊ぶかのようにこなす姿を繰り返し目にしていた。

バイルズ選手はその才能とカリスマ性のために、まるで手の届かないような存在に押し上げられて、ミスがあれば大げさに騒がれる。

バイルズ選手は自分の感情を隠すような性格ではない。25日の予選では期待されたほどの完璧な技が披露できず、「世界中の重さが(自分の)肩にのしかかっている」ような気がする時があると打ち明けた。

インスタグラムには「私はそれを払いのけ、プレッシャーには影響されないように見せている。でも辛い時だってある」と書き込んでいた。

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