NBA選手がネット動画でチベット支持表明、所属チームの中国での試合配信中止に
(CNN) 中国IT大手、騰訊(テンセント)は、米プロバスケットボール(NBA)ボストン・セルティックスのシーズン開幕戦のインターネット動画の配信を中止した。これに先駆け、セルティックスに所属するエネス・カンター選手が、中国のチベットへの対応を批判する動画をツイッターに投稿していた。
事態を受け中国のソーシャルメディアにはファンがコメントを寄せ、カンター選手やセルティックスを非難している。テンセント・スポーツのウェブサイトは今後もセルティックスの試合を配信しない意向を示唆した。
中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」にあるセルティックスのファンページは、今後セルティックスの情報を掲載せず、更新も停止すると表明。「国民の調和と祖国の尊厳を傷つけるいかなる振る舞いにも我々は断固として抵抗する」と書き込んだ。同ページにはおよそ61万5000人のフォロワーがいる。
カンター選手は20日、中国の習近平(シーチンピン)国家主席と政府に宛てた動画をソーシャルメディアに投稿。キャプションで「チベットはチベット人のもの」と訴え、習氏に対して「残忍な独裁者」と呼びかけた。動画内ではチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の肖像が描かれたTシャツを着ている。
Dear Brutal Dictator XI JINPING and the Chinese Government
— Enes Kanter (@EnesKanter) October 20, 2021
Tibet belongs to the Tibetan people!#FreeTibet pic.twitter.com/To4qWMXK56
CNNはNBAとテンセントにコメントを求めたが返答はない。
カンター選手は「中国政府に対する私のメッセージは、チベットを解放せよということだ」「チベットはチベット人のものだ。私はここで声を上げ、現在のチベットの状況を非難する。それは中国政府による残忍な支配の下で起きている」と主張。「中国政府の残忍な統治の下では、チベット人に基本的人権も自由も存在しない」と語った。