上海ディズニーが営業再開、ロックダウン解除で経済回復に期待も 中国
香港(CNN Business) 新型コロナウイルスの感染拡大で閉鎖されていた上海ディズニーリゾートが、30日から営業を再開すると発表した。中国では最近、感染対策のロックダウン(都市封鎖)措置が解除されたことなどから、経済回復への期待が強まっている。
ディズニーリゾートは上海市内で感染者が急増した3月以降、休園していた。28日の発表によると、再開後も当面は中国政府の規制に沿って、1日当たりの入園者数を制限し、感染対策を強化する。
上海では厳しいロックダウン措置の下、住民が外出を禁じられ、小売店やレストランも休業を余儀なくされたが、同措置は1日に解除された。
ディズニーリゾート内でも今月、商業施設の「ディズニータウン」、湖畔の公園「ウィッシング・スター・パーク」や上海ディズニーランドホテルが再開していた。
上海市内のレストランでは、29日から店内での飲食が可能になった。ただし入店客は72時間以内に受けたPCR検査の陰性証明を提示する必要があり、店内での滞在は90分までに制限される。
中国の水際対策も、2年以上前に新型コロナ感染症のパンデミック(世界的大流行)が始まってから初めて、大幅に改訂される。国家衛生健康委員会は28日、外国からの入国者の隔離期間を半分以下に減らすと発表した。
これまでは入国後に政府指定の施設で14日間の隔離と、自宅で7日間の健康観察が定められていたが、今後は7日間の集中隔離と3日間の自宅待機に短縮される。
米金融大手モルガン・スタンレーのアナリストらは28日に出した報告書の中で、中国は感染拡大を徹底的に封じ込めようとしてきた「ゼロコロナ政策」から年末までに脱却するとの確信を新たにしたと述べている。
中国の経済成長はロックダウンが導入されてから鈍化した。今年4~6月期の国内総生産(GDP)成長率はマイナスに落ち込むとの見方もある。16~24歳の若年層の失業率は先月、史上最悪の18.4%を記録した。
しかしアナリストらは今、GDP成長率が7~9月期に年率換算で2.7%増、10~12月期は同4.7%増に回復すると予想している。
みずほ銀行のストラテジスト、張建泰(ケン・チャン)氏は中国政府の現状について、経済成長を支えつつ感染拡大を抑えるというバランスを取り始めていると分析。一方で、中国がいつ非居住者の入国を認めるようになるかは極めて不透明だと述べた。
張氏はさらに、住民は今後も繰り返し、突然ロックダウンや一斉検査を言い渡される恐れがあると指摘した。