イラン政府批判のサッカー元代表、家族を乗せた便に当局が引き返し命令
(CNN) イランの政府系タスニム通信は、同国のサッカー代表チーム監督を務めたアリ・ダエイさん(53)の妻と娘を乗せたドバイ行きの航空機が26日、当局によって強制的にイランに引き返させられたと伝えた。ダエイさんはイラン政府を批判していた。
イラン国営通信(IRNA)は当初、ダエイさんの妻と娘について、「出国する場合は当局に知らせるよう命じられていたにもかかわらず、そうしなかった」という理由で出国を阻まれたと伝えていたが、後にこの記事を撤回した。
IRNAによると、イランの首都テヘランを出発した便は、ペルシャ湾のキーシュ島に着陸するよう指示され、そこでダエイさんの家族が降りるよう命じられた。
イランのサッカー代表チーム監督を務めたダエイさんは、イランで続く反政府デモに支持を表明していた。反政府デモは今年9月、道徳警察に拘束された22歳の女性の死亡をきっかけに、全土に拡大した。
タスニム通信は、ダエイさんの妻の最終目的地は米国だったと伝えた。一方ダエイさんは政府系のイラン学生通信(ISNA)に寄せたコメントで、妻と娘は短期間のドバイ訪問を予定していただけだと説明している。
妻と娘は逮捕はされていない。
ダエイさんは、妻の渡航禁止については知らなかったと話し、「これについて誰も答えてくれない。こうなった理由が本当に分からない」と訴えた。
ダエイさんは、イランのデモ参加者に連帯の意を表し、カタールで開かれたFIFAワールドカップ(W杯)に出席しなかった。9月には「イラン国民の弾圧、暴力、逮捕ではなく、彼らの問題の解決を」とインスタグラムに投稿していた。