米俳優バート・ヤングが死去、映画「ロッキー」で主人公の親友役
(CNN) 米国の人気映画シリーズ「ロッキー」で主人公の妻の兄で親友役も演じて評価を高めた俳優バート・ヤングさんが今月、亡くなっていたことが26日までにわかった。代理人が明らかにした。83歳だった。
死因は伝えられていない。ヤングさん自身、プロボクサーの経験があった。
「ロッキー」シリーズでは、シルベスター・スタローンさんが扮する主人公ロッキー・バルボアの恋人でのちに妻となるエイドリアンの兄ポーリーとして出演。この演技力を買われ、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたこともある。
スタローンさんはヤングさんの死去の報を受け、「私も世界も非常に悲しい。安らかな眠りを」と祈った。同映画の場面で一緒にいた際の写真も添付して追悼した。
ヤングさんはニューヨーク市クイーンズの労働者階層が多いコロナ地区の出身。今回の訃報(ふほう)を最初に報じたニューヨーク・タイムズ紙によると、16歳の時に父親の入れ知恵で年齢を偽り海兵隊に志願した。
入隊中にボクシングを始め、除隊後も続けて一時はプロとして活動していたという。
俳優業を始めたのは20代で、好意を寄せていた女性を通じて名前を知った著名な演出家のリー・ストラスバーグ氏と接触できたのがきっかけだった。後になり、俳優業こそ求めていた職業と思い知る出会いになったと振り返っていた。
その後、映画「マッシュ」「セルピコ」「チャイナタウン」などの映画に出演。ただ、俳優として飛躍する機会となったのは1976年公開の「ロッキー」だった。
2009年のメディアとの会見では、同映画に出る俳優を選別する審査を唯一受けなかった事実も明かしていた。映画製作スタジオでスタローンさんが近寄ってきて自己紹介した際、「ロッキー」の脚本を書き上げ、「出てくれますよね?」と話しかけられた逸話を紹介してもいた。
この脚本を読み「それまで読んだ街頭を舞台にした散文で最も清らかな筋立て」と思ったとし、「彼はワーカホリックだが、3年先を見据えている。世の中で何が起きているのかへの嗅覚(きゅうかく)が本当にあった」と称賛していた。