元横綱・曙さん死去、54歳 道を切り開いた米国生まれの力士
東京(CNN) 米国生まれの力士として道を切り開いた曙太郎さんが死去したことが分かった。家族が11日の声明で明らかにした。
心不全のため日本の病院で亡くなった。54歳だった。
米ハワイ州で生まれた曙さん(出生名チャド・ジョージ・ハヘオ・ローウェン)は、日本人以外では初めて横綱に昇進した。
曙さんの家族は声明で、「曙太郎が心不全のため今月死去したことを深い悲しみと共に発表する。東京の病院で治療を受けていた」と説明。「第64代横綱として相撲ブームをけん引し、11回の優勝を含む多くの偉業を成し遂げた」と振り返った。
曙さんは1993年の横綱昇進後、96年に日本国籍を取得した。2001年に現役を引退した後、03年に日本の総合格闘技プロモーションのK1でデビューした。
日本相撲協会によると、17年のレスリングの試合後に病院に救急搬送され、以降は体調が優れなかったという。
曙さんには妻1人と娘1人、息子2人がいる。
国際オリンピック委員会(IOC)の日本語公式サイトはX(旧ツイッター)で、1998年の長野冬季五輪で曙さんが「世界の人々に堂々とした土俵入りを披露した」ことを振り返った。
エマニュエル駐日米大使も、「他の外国人力士が相撲で成功する扉を開いた」「米国と第2の故郷となった日本との間の文化的な絆を強化した」とたたえた。