ジェスチャーで物議のトルコ選手、UEFAが2試合の出場停止処分
(CNN) 欧州サッカー連盟(UEFA)は5日、トルコ代表のディフェンダー、メリフ・デミラル選手に2試合の出場停止処分を科すと発表した。同選手はドイツで開催中の欧州選手権(ユーロ2024)16強のオーストリア戦で勝利した際、トルコ国内の過激な右翼組織との関連が疑われるジェスチャーで喜びを表し、物議を醸していた。
トルコは2日に行われた16強の試合でオーストリアに2—1で勝利した。2ゴールを決めたメリフ・デミラル選手は腕を上へ伸ばし、両手の人差し指と小指を立てて喜びを表現したが、これは「ウルフ・サリュート」の名で知られるジェスチャーで、トルコの右翼過激派組織「灰色の狼」と関係があるとされる。
トルコは6日、準々決勝でオランダと対戦する。
UEFAは声明で、デミラル選手が行動原則に違反したと指摘。「スポーツ大会を利用して競技と関係のない表明を行い、フットボールという競技の信用を失墜させたことが品行方正な行動を求める基本規則に違反している」と説明した。
トルコサッカー連盟はCNNの取材に答え、法務部門が処分への異議申し立てに動いていると確認した。
トルコのエルドアン大統領は同国メディアの取材に対し処分への不満を示唆した。
CNNのドイツ提携局NTVも、エルドアン氏が6日のオランダ戦を観戦にベルリンを訪れることを確認した。
UEFAの理事でトルコサッカー連盟の会長候補でもあるセルベト・ヤルドゥムジュ氏はX(旧ツイッター)への投稿で「スムーズに運営されている大会で、試合後の自然な祝福に罰則を求めるのはフットボールの独立性への介入に他ならない」と批判。選手たちが喜びを表現する方法は、何らかの集団への誹謗(ひぼう)中傷や礼儀に反する行為でない限り罰せられるべきではないと主張した。