ユーロが「人種差別の舞台に」、トルコ選手のジェスチャーを独内相が非難 UEFA調査中
(CNN) サッカー欧州選手権(ユーロ2024)の試合で勝利したトルコ代表の選手が喜びを表したジェスチャーに対して、開催国ドイツの内相から非難の声が上がった。トルコ国内の過激な右翼組織との関連を意味するジェスチャーだった疑いがあるというのがその理由で、大会を統括する欧州サッカー連盟(UEFA)が調査に乗り出す事態となっている。
トルコは2日に行われた16強の試合でオーストリアに2—1で勝利した。2ゴールを決めたメリフ・デミラル選手は腕を上へ伸ばし、両手の人差し指と小指を立てて喜びを表現したが、これは「ウルフ・サリュート」の名で知られるジェスチャーで、トルコの右翼過激派組織「灰色の狼」と関係があるとされる。
ドイツのフェーザー内相は3日、X(旧ツイッター)でこれに反応。「トルコの右翼過激派のシンボルは我々のスタジアムにいらない」「サッカーの欧州選手権を人種差別主義の舞台に使うことは全く受け入れられない。UEFAがこの事案を調査し、制裁を検討するのを期待する」と述べた。「灰色の狼」はドイツで監視対象になっているとも付け加えた。
オーストリア戦の勝利後、デミラル選手は当該のジェスチャーをする自身の画像をXに投稿。「自分をトルコ人と呼べる人は幸せ者」とのキャプションを添えた。
また試合の後には記者団に対し、ゴールや勝利を祝福する特定のパフォーマンスが当初から頭の中にあり、それを実行したと示唆。パフォーマンスはトルコ人のアイデンティティーに関係するものでなくてはならず、それは自分がトルコ人であることに大変な誇りを持っているからだと説明した。