台湾、中国軍事侵攻を描いたテレビシリーズを製作 台湾の人々に衝撃
台湾政府と軍もこのテレビシリーズを支持した。
総統府は敷地内での撮影を許可。これには大統領が演説する部屋も含まれる。軍の承認を得て、定例訓練中の軍艦上での撮影も敢行した。
当局の協力を得るのは容易ではなかった。
鄭氏は「最初は多くのコミュニケーションと説得が必要だった」と振り返る。一方で、当局は切迫する問題の重要性と、映画やテレビ番組の世論を形成する力を理解していたという。「最終的に当局はこの件についてテレビシリーズを制作するのは良いことだと判断した」
「ゼロデイ」の予告編の一場面。中国政府の支持者らが大陸との統一を呼び掛ける横断幕を掲げる/Courtesy Howard Yu
この番組は台湾文化省からも資金提供を受けた。ただし、先の監督は、資金提供や撮影許可を受けたからといって制作に干渉する権利を政府に与えることはなく、「政府は脚本を一切変更していない」と強調。これは政治的プロパガンダでも愛国映画でもないと語った。
この水準の芸術的、政治的自由を実現することは、中国本土はおろか香港でさえ不可能だ。かつての香港は比較的自由で率直な映画産業を誇っていたが、近年は広範な取り締まりの一環で抑制されている。
3月に始まった「ゼロデイ」の撮影は11月末までに終了する見込みだ。番組は来年台湾で放送予定。
制作チームは米ネットフリックスなどのストリーミング事業者とも連絡を取り、国際公開の可能性を探っているが、話し合いはまだ初期段階だという。