台風3号が台湾に上陸 2人死亡、金融市場や学校が閉鎖に
台北(CNN) 大型で強い台風3号(ケーミー)が25日、台湾の北東部に上陸し、少なくとも2人が死亡したほか、数百人が負傷した。金融市場は休場となったほか、学校や事業所も閉鎖となった。
台風3号がもたらす大雨や強風によって台湾の状況は悪化している。宜蘭県に到達した際の風速は最大約57メートルと、大西洋で発生した「カテゴリー3」のハリケーンと同等。
台風3号は台湾海峡を抜けたあと中国・福建省に上陸し、強風や大雨をもたらすとみられている。中国本土はすでに数週間にわたり、大雨や洪水による被害が出ている。
台湾当局によれば、高雄市で、バイクに乗っていた女性が倒木にぶつかり死亡した。花蓮市では、屋根から落ちてきたパラペットにぶつかり、女性が死亡した。負傷者は200人あまりにのぼる。
急速に勢力を増した台風は24日午後に台湾の北東沿岸部に上陸する前にスーパー台風になるとみられていた。しかし、山間部の地形の影響で予報の進路を外れて、沖合に6時間以上とどまった後、午前0時ごろに上陸した。
台湾はしばしば台風に見舞われるものの、特に都市部では台風による強風や豪雨の被害に対する備えが一般的にしっかりしている。より危険なのは遠隔地や山間部の人たちで、特に島の東側は地滑りが大きな危険をもたらす可能性がある。
台湾の頼清徳(ライチントー)総裁は住民に対し、安全が確保できない場合には移動を控えるよう求めた。