中国国防相、台湾独立を支援する者は「自滅する」 アジア安全保障会議

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アジア安全保障会議で発言する中国の董軍国防相=2日、シンガポール/Nhac Nguyen/AFP/Getty Images

アジア安全保障会議で発言する中国の董軍国防相=2日、シンガポール/Nhac Nguyen/AFP/Getty Images

シンガポール(CNN) 中国の董軍国防相は2日、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)で行った演説で、台湾は徐々に独立を目指しており、それを支持する者は「自滅することになる」と警告した。

董氏のこの発言の数日前には、台湾で新総統が就任したことを受け、中国が台湾を包囲する大規模な軍事演習を実施していた。

董氏は「我々は台湾独立を阻止し、そのようなたくらみが決して成功しないようにするために断固たる行動を取る」と語り、台湾に兵器を販売し、「違法な公式接触」をしている「外国の干渉勢力」を非難した。これが台湾と緊密で非公式な関係を維持している米国を指していることは明らかだ。

オースティン米国防長官は5月31日、董氏と会談を行い、中国に対し、台湾の政権移行を威圧的な措置の口実に利用しないよう求めた。

台湾の頼清徳(ライチントー)新総統は現状維持を支持している。

台湾は、シンガポールでの董氏の発言について、「挑発的で不合理」だと反発した。

台湾の大陸委員会は声明で「世論を無視したすべての威圧的な行動は民主主義と人権に反し、戦争につながるあらゆる手段は逆効果だ」と述べた。

元海軍司令官の董氏は昨年末、国防相に任命され、同会議に初めて参加した。

同会議は、この地域で安全保障上の対立が高まっている中で行われた。近隣諸国は、中国について、各国が領有権を主張する海域で軍事力を使って領有権を主張し、米国が安全保障上の強固な関係性を築いている地域で軍事的優位性を確立しようとしていると見ている。

しかし、董氏は演説で中国について別の見方を描き、中国を「いわゆる強い立場から行動することはない」善良な大国と位置付け、「我々は、武力に訴える戦争か冷戦かにかかわらず、誰であろうと地政学的な紛争や戦争を我々の地域に持ち込むことを容認しない」と遠回しに米国をやり玉に上げた。

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