「映画上映前のCM多すぎ」、観客の損害賠償請求認める インド
(CNN) インドで映画の上映前に見せられるCMが多すぎたとして観客の男性が映画館を訴えた訴訟で、裁判所が男性の損害賠償請求を認める判決を言い渡した。
原告は南部のベンガルールに住む弁護士の男性(31)。映画の終了時間が予定よりも遅れたために仕事の電話をキャンセルしなければならなかったとして、映画館運営のインド最大手PVR INOXを相手取り、ベンガルールの裁判所に訴えを起こした。
訴状の中で原告は、2023年の映画「サム・バハドゥール」の上映前に25分もCMを見せられて時間が無駄になり、「精神的苦痛」を被ったと主張した。
CNNが入手した裁判書面によると、男性は23年12月26日、ベンガルール市内のPVRマルチプレックスで上映された同作品のチケット3枚を購入。上映時間は2時間25分で、午後4時5分から始まって同6時半に終了する予定だった。
しかし「予告編やCMのせいで30分近くも時間を浪費させられ」、そのために終了時間が遅れたと男性は主張。終了時間の遅れは「不公正な取引」に当たるとしてPVR INOXに5万ルピー(約8万6000円)の損害賠償を求め、加えて「精神的苦痛」の代償5000ルピーと、訴訟費用の1万ルピーを請求した。
裁判所は男性の訴えを認め、PVR INOXに対して損害賠償2万ルピーと訴訟費用8000ルピーを男性に支払うよう命じた。
判決では「新しい時代において時間は金銭とみなされる」と判断。25分~30分のCMについて「劇場でじっと座って不要な広告を見る時間としては相当長い。タイトなスケジュールを抱える人にとって浪費する時間はない」と指摘している。