イラク航空、23年ぶり路線拡大 787も10機調達へ
(CNN) イラク航空が23年ぶりに路線を拡大している。ボーイング787型機(ドリームライナー)を10機発注するなど新型機の調達にも積極的で、同国の復興の一翼を担っている。
これまでに首都バグダッドとロンドン、フランクフルト、デュッセルドルフ、クウェートを結ぶ国際便が加わったほか、コペンハーゲン、ストックホルム、クアラルンプール、さらには中国各地との間を結ぶ便も就航させる計画。2017年までに、現在の15路線から40路線へと拡大したい意向だ。
イラク航空の広報は、「現時点で主なターゲットは家族や友人のもとを訪れるイラク人だ。イラク国外に住む国民は400万人に上り、大きな市場がある」と説明する。
運輸業界に詳しい専門家のジョン・ストリックランド氏は、「復興支援に当たる建設会社や非政府組織(NGO)などあらゆる方面の関係者が増えている。イラクは復興の途上にあって潜在的可能性は大きく、石油産業が成長を続ける中で、今後も高い注目を集め続けるだろう」と指摘する。
イラク航空は2010年にも再建を試みたが、この時はクウェートに起こされた12億ドル(現在のレートで約1200億円)の損害賠償訴訟に阻まれて果たせなかった。この裁判がようやく決着した今、同航空は新型機の調達にも乗り出し、ドリームライナー10機を含む新鋭機に7億ドルを投じているという。「イラクは地理的に、世界のほとんどの場所へノンストップで到達できる場所にある」と広報は説明する。