今年のバレンタイン、ココア高騰でチョコ価格が最大2割上昇 米研究所
ニューヨーク(CNN) 今年のバレンタインはチョコレートのスウィートディール(お買い得品)を見つけるのが例年以上に難しくなりそうだ。ココア価格の記録的高騰により、チョコレート価格が最大20%上昇するとの見方が出ている。
ウェルズ・ファーゴ農業食品研究所のセクター・マネジャー、デビッド・ブランチ氏は「今年のバレンタインデーにはチョコレート価格が昨年比で10~20%ほど上昇することが予想される。ココア価格が2024年初頭から倍以上になっているためだ」と指摘する。
ココア価格は昨年12月、1トン=1万2646ドル(現在のレートで約194万3000円)の過去最高値を記録した。カカオの主要生産地域である西アフリカで悪天候が続いていることに加え、カカオ膨梢(ぼうしょう)ウイルスも生産の妨げとなっている。
生産者物価指数によると、過去2年間でチョコレートの製造コストは167%あまり上昇した。
ブランチ氏は「本当にめちゃくちゃな状況」と話す。
小売業者は対応策として、チョコレート価格を引き上げている。
スイスのチョコレートメーカー、リンツは24年の報告書で「カカオ価格の記録的高騰や大幅な価格引き上げ、消費者心理の低迷が特徴となった厳しい1年だった」と振り返った。同社は値上げを行ったといい、25年もこの傾向が続くと見込んでいる。リンツのバレンタイン向けのハート形チョコレートキャンディトリュフは現在、5.7オンス箱の価格が21.99ドル(約3400円)に上る。
チョコレートブランドのキャドバリーとトブラローネを傘下に持つモンデリーズ・インターナショナルのダーク・バン・デ・プット最高経営責任者(CEO)は24年第四半期の業績報告で、「前例のないココア価格の高騰」に言及した。