創業者の言動に揺れる米マカフィー、社名変更は考えず
ニューヨーク(CNNMoney) インターネットセキュリティーを手がける米マカフィーの役員会では、この1カ月の間、創業者ジョン・マカフィー氏のことが繰り返し話題に上った。
マカフィー氏は1994年に同社から身を引いて、一切の関係はなくなったものの、同氏の名を冠した社名はそのまま残る。そして11月11日、中米ベリーズの警察が、同地で起きた殺人事件に関連してマカフィー氏の行方を追っていると発表。以後、マカフィー氏の名は連日ニュースをにぎわしてきた。
マイケル・デシーザー共同社長は「(マカフィー氏について)話し合ってきたのは確かだ。同氏のニュースは集中的に報じられており、われわれはすべてに目を通してきた」と話す。
ベリーズに住んでいたマカフィー氏は自宅から姿を消し、潜伏先で複数のメディアの取材に応じて無実を主張、ベリーズ政府の陰謀説を唱えた。グアテマラでは亡命を申請し、不法入国の疑いで警察に拘束されると心臓発作を装い、先週になって米国に身柄を移送されている。
ニュース性は抜群だが、同じ名を冠したセキュリティ企業にとって、「マカフィー」の名が連日のように悪いニュースの見出しになるのは憂慮すべき事態だった。
それでも社名の変更は考えていないという。トッド・ゲブハート共同社長は「ジョン(マカフィー氏)は興味深い人生を送ってきたが、過去の決別については顧客も理解してくれている。マカフィーのブランドは、企業と従業員を守る会社と結びついている」と力を込める。
「法人顧客は、わが社のブランドが傷ついていないことを分かってくれている」とデシーザー氏も言う。ただ、一般消費者には、マカフィー氏が同社の経営者ではないという認識が行き渡っていないことも認めた。
それでも今回の騒ぎが宣伝上のダメージになるとは思っていないと同氏は強調、「現状を喜ばしいとは思っていないが、幸いなことに、騒ぎは終わりつつあるようだ」と話している。