元ＣＩＡ職員、ロシアへの一時亡命申請へ　最終的には南米に

モスクワ（ＣＮＮ） 米情報機関による極秘の個人情報収集活動を暴露し、訴追された米中央情報局（ＣＩＡ）元職員のエドワード・スノーデン容疑者は１２日、滞在中のモスクワのシェレメチェボ空港内で人権団体メンバーらと面会し、ロシアに政治亡命を求める考えを明らかにした。

ベネズエラ、ボリビア両国大統領が受け入れを発表した南米への亡命が実現するまでの暫定措置としている。同容疑者が公の場に姿を見せたのは今年６月２３日に香港を離れた後、初めて。

スノーデン容疑者は以前、ロシアへの亡命を求めたが、プーチン同国大統領が「米国に支障を及ぼす活動中止」の条件を付けたため断念していた。ロシアへの亡命表明でこの条件にどう対処するのかは不明。ただ、面会に同席したロシア議員はイタルタス通信に対し、同容疑者は米国にあらたな損害を与えるつもりはないと述べた。

１２日の面会を受け、米ホワイトハウスのカーニー報道官はスノーデン容疑者にプロパガンダ流布の舞台を与えたとロシア政府の対応を批判。オバマ米大統領は同日、プーチン大統領と電話会談し、同容疑者の問題などを話し合った。

米政府当局者はＣＮＮに、同容疑者の身柄送還などをめぐる米国とロシアの情報機関間の折衝は続いていると述べた。

スノーデン容疑者はシェレメチェボ空港の乗り継ぎ区画内にとどまっているとされる。ヒューマン・ライツ・ウオッチなどの人権団体との面会は自ら求めていた。容疑者は内部告発サイト「ウィキリークス」を通じて声明を発表し、「正しいと信じる行動を起こした」などと文書暴露の正当性を改めて主張した。