廉価版「iPhone」、消費者よりもアップルにお得?
ニューヨーク(CNNMoney) アナリストや投資家の間では、中国など新興市場を主なターゲットとして、米アップルが低価格スマートフォン市場に参入するとの観測が強まっている。
アップルが今年発表すると見られている廉価版iPhone(アイフォーン)。名称は「iPhone5C」ともうわさされているが、消費者にとっては、現在値引き販売されている旧型iPhoneと比べてそれほど安くはならないかも知れない。ただしアップルにとって「安く作れる」端末なのは間違いなさそうだ。
インターネット上に出回っている「リーク画像」によれば、廉価版iPhoneの本体はプラスチック製。理由は製造コストにある。米金融大手モルガン・スタンレーのアナリスト、ジャスミン・リュー氏によれば、プラスチックの採用により、現行のアルミ製のiPhone5に比べて17ドル安くなる可能性があるという。
アップルはこれまで、新型iPhoneを発表する際に前年の型を100ドル程度値下げし、そのまま並行して販売を続行するという戦略を採ってきた。
だがこの戦略はアップルにとって重荷だ。製造コストは高いままなのに、安価な旧型が人気を博しているからだ。調査会社コンシューマー・インテリゲンス・リサーチ・パートナーズによれば、米市場で今年販売されたiPhoneのうち、5割近くを旧型の「4S」と「4」が占めているという。
特に昨年発表された「iPhone5」はこれまで以上に原材料費のかかる端末だ。そのため、アップルは、新型iPhoneの発売に合わせて現行の「5」を店頭から引き揚げ、値頃感のある選択肢として「5C」を売り出したいと考えているといえそうだ。