米国務省、過激派勧誘ビデオに対抗キャンペーン 映像逆用も
ワシントン(CNN) 米国人をメンバーに引き入れようとする過激派組織「イスラム国(IS)」の勧誘ビデオに対抗して、米国務省が制作したビデオをユーチューブなどに投稿する対ISキャンペーンを展開している。
国務省のビデオは、ISがネットに投稿した勧誘ビデオの映像をそのまま使用。人を崖から突き落とす場面、モスク(イスラム礼拝所)を爆破する場面、頭部を切断された遺体の写真などを次々に流してISの残酷さを際立たせ、もしメンバーとして加われば、イスラム教徒のいるモスクを爆破したり、イスラム教徒を処刑したり、資源を略奪したりといった「有用なスキル」を学ぶことになると警告している。
「イスラム国の地へようこそ」と題したこのビデオは、国務省の対テロコミュニケーション戦略センターが制作し、ユーチューブの専用チャンネルに投稿した。
ISには100人を超す米国人が加わっていると推定され、ソーシャルメディアを使って盛んに勧誘が行われていると国務省はみる。
そこで勧誘される恐れがある米国のイスラム教徒向けに対抗ビデオを流すことにより、過激派への転向を思いとどまらせようという狙い。
これまではアルカイダや関連組織への対抗に力を入れてきたが、現在は対ISキャンペーンの重要性が増大した。動画の投稿に加えてフェイスブックやツイッターにもIS対抗アカウントを開設し、「考え直せ。背を向けろ」と呼びかけるキャンペーンを昨年末から展開している。
フェイスブックでは「我々の目的はテロリストとその宣伝の実態を露呈することにある。家庭を崩壊させ、真の遺産を破壊する者にだまされてはいけない」と呼びかけている。