妖怪ウォッチ――日本文化とゲームの融合
妖怪ウォッチのゲームは2013年に発売され、翌年、その人気に火が付いた。続編や関連グッズが飛ぶように売れた。
日野社長は、ゲームが成功した要因は、日本の子どもたちとの結びつきにあると考えている。妖怪ウォッチがテーマにしているものは、冒険それ自体というよりは、日々の生活の描写だという。子どもたちがゲームの世界を仰ぎ見るのではなく、そこに共感したことでゲームに人気が出たという。
妖怪ウォッチのゲームは米国市場にも登場したが、日本との結びつきの強さのせいで、欧米のユーザーにうまく伝わらないのではないかとの懸念も出そうだ。
しかし、ゲーム情報サイト「Kotaku」で上級寄稿編集者を務めるブライアン・アシュクラフト氏は「子どもたちはどこにいようと、おかしくて、怖いものが大好きだ」として、問題ないとの見方を示す。
日野社長も、妖怪ウォッチのキャラクターは意図的に非常に日本っぽくしてあると認めるが、中核部分のコンセプトについては文化的な境界を越えられるくらい力強いものだとの見方を示す。
母親が教室に忘れ物を届けに来て恥ずかしかったり、本当に必要だというときに携帯電話の電波が入らなくて困ったりといった経験をして、そうしたことを空想上の見えない存在のせいにできればいいのにと考えるのは、とても普遍的な考え方ではないかと指摘した。