ゲームに取りつかれる子どもたち 中毒のメカニズムを探る
手が届きやすいことが主な原因
ジェンティール氏は、ビデオゲーム中毒を生む主な原因として、ハイテク製品の入手・利用が容易になったこと、ブロードバンドインターネットの普及の2点を挙げる。
ジェンティール氏は「入手・利用が容易であることが中毒を招く要因」とし、「麻薬も入手できなければ中毒にはならない」と付け加えた。
「インターネットゲーム障害の問題が深刻化しているのはそのためだ。今や、ほぼ全ての人がパソコンを持ち、自宅にビデオゲーム機を所有する。それだけではない。今や誰もが携帯電話を所有し、その中に多くのゲームを入れているため、ほぼどこででもゲームをすることが可能だ」(ジェンティール氏)
米国精神医学会が出版した、精神障害の分類のための基準を示したマニュアル「精神障害の診断と統計マニュアル第5版(DSM-5)」では、インターネットゲーム障害は「同マニュアルに正式な障害として盛り込む前に、さらなる臨床研究・経験が必要な精神疾患」とされている。
中毒を招くABCとは
ジェンティール氏は、人がビデオゲーム中毒に陥るのは、ビデオゲームが人間の持つ3つの欲求「ABC」を満たしてくれるからだと指摘する。
「まずA(Autonomy)は自律への欲求、B(Beloging)は他の人々とつながっていたいという欲求、そしてC(Competence)はうまくなりたいという欲求だ」(ジェンティール氏)
ビデオゲームをすれば、これらすべての欲求を満たせるというわけだ。少なくとも、プレーヤーが上手にプレーをしたり、身の回りのオンラインコミュニティに参加している間はこれらの欲求を満たすことができる。