ゲームに取りつかれる子どもたち 中毒のメカニズムを探る
公認の心理学者で、ノッティンガム・トレント大学国際ゲーム研究ユニット(IGRU)の責任者を務めるマーク・グリフィス氏は、ビデオゲームの中毒性はつまるところ、プレーヤーがゲームをしている間、常に「報われている」ことが原因と考えている。それは、自己最高得点を更新した時の肉体的興奮の場合もあれば、自分の戦略的プレーが功を奏したと感じた時の精神的報酬の場合もある。
「これらの報酬の大半は、(少なくともある程度は)予測不可能なものだ」とグリフィス氏は指摘する。
「いつ次の報酬が得られるか分からないからこそゲームにのめり込んでしまう。つまり、彼らはたとえすぐに報酬を得られなくてもゲームを続けてしまうのだ。彼らはもう少しプレーすれば報酬が得られると信じてプレーを続ける」(同氏)
またグリフィス氏は、この10年間でゲームの主流が1台のゲーム機で完結するスタンドアロンのタイプから、終りがなく、中断もできない巨大な多人数参加型のオンラインゲームにシフトしてきたと指摘する。
グリフィス氏は、「多くのゲーム中毒者は、パソコンをログオフしてオンラインゲームから離れることを嫌う」とし、さらに「常にオンラインでないとゲーム内で今何が起こっているか分からないため、彼らはパソコンから離れたがらない」と付け加えた。
ゲームが娯楽の範囲を超えてしまったら
しかし、ゲームを健全に楽しんでいるだけなのか、あるいは病みつきになっているのかをどのように見分ければいいのか。中毒の一般的定義は存在しないが、ジェンティール氏は、中毒者の主な特徴として「日常生活に支障を来している」点を挙げる。
「初期の研究で、学校の成績が落ちたり、友達や家族との関係に支障を来す子どもがいることが分かってきた。彼らは、ゲームのことが頭から離れず、ゲーム以外のことはしたがらなかった」(ジェンティール氏)