中国、THAAD配備で韓国関連団体にハッカー攻撃
香港(CNN) 在韓米軍が高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD=サード)の配備を進めている問題で、米国のサイバーセキュリティー企業は27日までに、中国政府が肩入れするハッカー集団がTHAADに関与する韓国の団体のネットワークへの不正侵入を図った事実を明らかにした。
同企業「ファイアーアイ」の幹部はCNN番組の取材に、THAADに関係がある少なくとも1団体が不正侵入の標的となったことを示す証拠を得たと述べた。中国はTHAADの強力なレーダーは中国内の軍事的な動きの監視に使われる可能性があるとして反対している。
韓国外務省の報道官はCNNに、中国を発信地にするサイバー攻撃が先月起きた事実を確認。ただ、同ミサイルシステムが絡むのかについては判断を示さなかった。迅速な対応策がこの不正侵入の企てを阻止したとも明らかにした。
一方、中国外務省はCNNの取材に、いかなるサイバー攻撃にも反対し、全てのハッカー攻撃に反対するとの同国政府の立場を表明を発表。その上で声明は、THAADへの反対を改めて繰り返し、米韓両国に配備停止を呼び掛けた。
米太平洋軍のハリス司令官は26日、THAADは数日内に稼働可能との見通しも示していた。
ファイアーアイ社の幹部は、探知した不正侵入の動きについて発信地では中国語が使用されていた証拠を多数入手しており、北朝鮮による中国人ハッカーの偽装の可能性は少ないと指摘。この動きの背後にいるグループは長年把握しており、動向を監視してきたとも述べた。
また、THAAD関連情報の入手が目的の不正侵入であり、同ミサイルシステムの妨害ではないとも説明した。