百度会長、公道を試験走行する自動運転車に乗車 警察捜査へ
香港(CNNMoney) 中国の検索大手、百度(バイドゥ)の李彦宏会長が5日、自動運転車の試作車に乗り公道を走行する様子を公開した件で、試験走行に反対の立場をとる北京の交通警察は6日、この件を捜査し法に従い対処するとの声明を発表した。
李会長は5日、北京で開かれた会議の出席者に向けて、同市内を走る百度のソフトウエアを搭載したフォード製リンカーンの助手席から「この車は自動運転モードに入っており、見ての通り運転手の手は完全にハンドルから離れている」と語りかけていた。百度は5日の会議で、中国の大手自動車メーカーなど50社を超えるパートナー企業と協力して「自動運転の採用を加速する」計画を明らかにした。
中国当局は以前から、各社に対して公道で自動運転車の試験を行わないように警告していた。
北京の交通警察は6日、「(この件は)法律に従って捜査を受け、対応が行われるだろう」との声明を発表。「革新的な自動運転技術」は支持するものの「法律と安全、科学に従って実行されるべきだ」との考えを示した。
百度からのコメントは得られなかった。
中国では自動運転車の使用に関する法令整備が進んでいないが、当局は法令が整うまで各社が試験走行を行うべきではないとの見解を示している。地元の弁護士の一人は、走行中にハンドルから手を離すことは交通法規の安全義務違反に問われるとの見解を示した。
「中国版グーグル」として知られる百度は、人工知能(AI)に大規模な投資を行い、自動運転車を含むいわゆる「モノのインターネット(IoT)」の分野で世界トップの地位を築き上げようともくろむ。2018年には機能的に運転手が不要となる車を少数生産し、早ければ21年に大量生産を開始することを目指している。