フェイスブック、ロシアへの「広告」販売認める 米大統領選中
ニューヨーク(CNNMoney) 米フェイスブックは8日までに、昨年の大統領選中、ロシアの「トロール・ファーム」(ネットで故意に偽情報を拡散したり、騒ぎを起こすことを狙う組織)に政治広告を販売していたことを認めた。米議会の調査に対して明らかにした。
同社の調査によれば、2015年6月から17年5月にかけて、約470の不正なアカウントまたはフェイスブック・ページを介して約10万ドル相当の広告売り上げがあったという。
この間掲載された広告数は約3000件。フェイスブックのアレックス・ステイモス最高セキュリティー責任者(CSO)は「これらのアカウントやページは互いに関連があり、ロシアから運営されていたと思われる」と述べた。
この問題はワシントン・ポストが最初に伝えた。
ステイモスCSOによれば内容は「性的少数派の問題から人種問題、移民や銃を持つ権利」まで幅広く、「争いの種になるような社会的・政治的メッセージ」を増幅し、米国の有権者の分断を招くことを意図して投稿されていたという。
これら広告の約4分の1は、特定の地域のユーザー向けに表示されたという。だが同社の広報は、どの地域がターゲットになったかは明らかにしていない。
また、フェイスブックの調査によれば、選挙期間中にロシアと関連のある別の複数のアカウントが政治広告のためにさらに5万ドルの費用をかけていたことも判明したという。
ステイモスCSOは声明で、問題あるアカウントで現在も使われているものはすでに閉鎖したと述べた。だが問題の広告がどんなものだったかは未公表で、広告の表示対象を絞り込むのにフェイスブックが果たした役割についても説明はなく、同社に対しては批判の声が上がっている。