ネット統制強める中国、チャットの友人監視義務付けも
香港(CNN) 中国共産党が北京で開かれる第19回党大会を前に、インターネットに対する統制を強めている。アプリを通じたグループチャットの管理人に対し、友人の発言の監視を義務付ける規制もこのほど新たに導入された。
習近平(シーチンピン)国家主席は今回の党大会を利用して、毛沢東以来となる統制と影響力の確立を目指す。党はこの1年の間に、これまで以上にインターネット検閲の態勢を強化。新しい法律や規制が導入され、かつては異なる意見が許容されていた分野や話題にまで取り締まりが及んでいる。
米国在住のリ・ホンクアン氏はかつてそうした検閲に対抗して、中国で禁止されているニュースや政治ゴシップをニュースレターにまとめ、中国当局の規制をかいくぐって中国へ配信していた。
しかし検閲の強化でニュースレターが配信できなくなり、今度は中国で人気のグループチャットアプリ「微信(ウィーチャット)」を利用して、反体制派が発信するニュースやメッセージ、写真などを共有していた。
ところがこうしたグループチャットを取り締まる新規制が先ごろ導入された。管理人を委託されたユーザーは友人の発言を監視することが義務付けられ、違反すれば処罰される。
リ氏が米国版のウィーチャットから投稿する内容は遮断されて中国では表示されなくなり、グループチャットに参加することもできなくなった。「ウィーチャットの全ユーザーが影響を受ける」とリ氏は言う。
ウィーチャットを提供する中国のネット大手テンセントはこの問題について取材に応じていない。しかし新規制は広く徹底されている様子だ。