ビットコイン、ジンバブエで価格急騰 国際相場の2倍
(CNN) 経済の崩壊により自国通貨が破綻(はたん)したジンバブエで、インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」の需要が急騰している。首都ハラレにある取引所、ゴリックスでの相場は過去1週間で1万ドルを突破。主要な国際相場の2倍近くを記録した。
ゴリックスのトレードコーディネーターを務める女性は「相場は高止まりし、上昇傾向を維持している」と指摘。需要の拡大が今後も価格を一段と押し上げるとみている。
ジンバブエではビットコインの使用が一般に広く浸透しつつあり、今や自動車ディーラーのような業務でも仮想通貨による支払いを受け付けるようになっている。
同国のムガベ政権は、2008年に起きた凄まじいハイパーインフレへの対抗策として自国通貨を廃止。大半の商取引を米ドルで決済してきた。
しかし現在は外貨の不足が深刻化し、政府は米ドルと等価の「ボンドノート」と呼ばれる銀行券を発行することでこれに対処しようとしている。ただこれらのボンドノートの相場は闇市場で下落しており、国際取引にも使用できない。
ビットコインをはじめとするデジタル通貨のニュースサイト、コインデスクでリサーチ担当責任者を務めるノーラン・バウアーレ氏は「金融政策や政治の不透明感から国の通貨への信頼が揺らぐとき、ビットコインはしばしば安全な避難先の役割を果たす」と分析。通常の通貨と異なり、中央集権的な機関が打ち出すさまざまな措置とそれらの予期せぬ結果による影響を被らないというのがその理由だ。
英ケンブリッジ大学に籍を置く経済史家、ギャリック・ハイルマン博士が考案したビットコイン市場潜在性指数によれば、ビットコインの流通拡大に有利な国としてジンバブエはアルゼンチン、ベネズエラに次ぐ3位につけている。