北朝鮮ハッカー集団、韓国軍艦の設計図など入手か 韓国議員
香港(CNNMoney) 韓国の野党議員は同国国防省などから得た情報として、北朝鮮の関与するハッカー集団が昨年、韓国の造船大手、大宇造船海洋のネットワークに侵入し、軍艦や潜水艦の設計図などの情報を盗み出していたことが分かったと語った。
同議員事務所によると、大宇造船海洋から盗まれたのは潜水艦や駆逐艦の設計図や造船技術、兵器、実験データなどの機密文書約60件。合計で約4万の文書が不正アクセスされていたという。
韓国国防省はこの件についてのコメントは避けながらも、セキュリティー対策の強化に当たっていると説明した。
大宇造船海洋が建造した韓国軍の軍艦や潜水艦は、すべて北朝鮮に対する防衛の目的で配備されている。
同社の広報もコメントを控え、この件について調査しているとのみ語った。
北朝鮮の関与が疑われるサイバー攻撃を巡っては、先月にも別の韓国議員が、北朝鮮のハッカー集団が国防省のデータベースから軍の機密情報を盗んだと語っていた。盗まれた情報の中には、韓国と米国の戦時作戦や、北朝鮮の指導者を排除する計画について記した文書が含まれていたとされる。
今年猛威を振るったランサムウェア(身代金要求型ウイルス)「ワナクライ」や、昨年起きた各国の銀行に対するサイバー攻撃、14年にソニー・ピクチャーズエンタテインメントがハッキングされた事件などでも、北朝鮮の関与が指摘されていた。
北朝鮮は、こうした一連のサイバー攻撃への関与を否定している。