ヒラリー氏やゆするゲーム、大統領選前に公開 ロシアの工作か
ニューヨーク(CNNMoney) ロシアのネットユーザーらが、2016年の米大統領選の数週間前に、当時の民主党候補だったヒラリー・クリントン氏をやゆするビデオゲームを作成し、ソーシャルメディアでの拡散を図っていたことが9日までに分かった。CNNがネット上の記録やコンピューターのコードの検証を通じ確定した。
ヒラリー氏の名をもじって「ヒルテンドー」と名付けられたこのゲームは、同氏をかたどった画面上のキャラクターを操作して敵をかわし、得点を重ねていくシンプルな内容だ。
ゲームは3ステージで構成される。ステージ1はミサイルにまたがったヒラリー氏を動かして、横スクロールする画面上に現れる機密情報のメールをなるべく多く消していくというもの。FBI捜査員のキャラクターに触れるとダメージを受ける。
ステージ2は画面上部に配置されたアラブ諸国の国旗から落ちてくる現金入りの袋を、ヒラリー氏のキャラクターを使ってキャッチする。ステージ3はホワイトハウスの屋上からオバマ前大統領が放り投げる合衆国憲法を自由の女神のミニチュアを手にしたヒラリー氏が弾き飛ばして、どれだけ遠くまで飛ばせるかを競う。
ヒルテンドーのウェブサイトには、ゲームの制作者がプレーヤーを特定し、そのフェイスブックのページなどに広告を送信できるソフトウエアが埋め込まれていた。この仕組みを使って当該のプレーヤーに虚偽の情報を与えていた可能性がある。
ヒルテンドーをプレーできる2つのウェブサイトは、ともに16年9月9日に登録された。そのうちの1つについて、登録者はサンクトペテルブルクに拠点を置いていることが分かっている。同市はロシア政府との関係が指摘されるネット企業「インターネット・リサーチ・エージェンシー(IRA)」の所在地でもある。