自撮り写真で鼻の大きさ3割増し、整形への関心促す傾向も 米研究
(CNN) 自分の顔を自撮りで約30センチの距離から撮影すると、鼻の大きさが実際より30%も大きく写る――。そんな研究結果が1日の米医学誌に掲載された。
研究チームでは、顔の整形に関心がある人は、自撮り写真を見て整形のことを考えない方がいいとアドバイスしている。
研究チームは米国立労働安全衛生研究所のデータをもとに、多様な人種や民族の米国人の顔のサイズを計測し、数学モデリングを使って解析した。その結果、約30センチの距離から自撮りすると、離れた距離からのカメラで撮影した写真に比べて、鼻のサイズが男性で30%、女性は29%大きく写っていることが分かった。
約1.5メートルの距離から撮影した写真では、鼻の大きさはほとんど変形していなかった。
論文の筆頭筆者で米ラトガーズ大学医学校の整形・形成外科医、ボリス・パスコバー氏は、「自撮り写真に写るのは、自分の本当の外見ではない」とくぎを刺す。
「自撮り写真では、鼻の幅も高さも実際より大きく見える。そこで鼻を小さくしたいと思ってしまう」「そのことを知らない世代が心配だ。こうした世代は自撮りしか知らない」(同氏)
フェイブックやインスタグラムといったソーシャルメディアの人気に伴い、自撮りは時代の象徴になった。しかし、自撮りで変形した写真が整形を考えさせるきっかけになっているのではないかとパスコバー氏は指摘する。
米顔面整形・形成学会が2018年に実施した実態調査によると、ソーシャルメディアに掲載された自撮りなどの写真を見て整形をしようと思ったという人は、2016年の42%から、17年には55%に増えた。