ドローン市場に商機 米新興2社、世界大手DJIに挑む
テスラのバッテリーエンジニアだったゴア氏は、エンジニアのすぐそばで製品を製造するメリットを目の当たりにした。ゴア氏によると、従業員同士が近い距離で働くことにより、互いに説明がしやすくなり、技術革新が促されるという。
スカイディオも同様の取り組みを行っており、同社のドローン「R1」はカリフォルニアで製造されている。
インポッシブル・エアロスペースとスカイディオがDJIに対して持つもう1つの優位性は、DJI製のドローンに国家安全保障上の懸念が浮上したことだ。
米陸軍は2017年にDJI製ドローンの使用禁止を命じた。米政府のあるメモによると、DJIはインフラや法執行に関する重要データを中国政府に提供していたという。DJIはこの疑惑を否定したが、米政府機関はDJI製ドローンに対する制限を解除していない。
一方で、米政府機関はドローンの使用を急拡大したため、政府機関の間で米国製ドローンの争奪戦になった。
米内務省のドローンプログラムの責任者マーク・バスリック氏は、「(内務省は)3DR製ドローン『Solo』の世界中の在庫を買い占めたと思う」と述べている。
バスリック氏は、技術的に古くなり、製造中止にもなったSoloに代わるドローンが必要と述べており、他の米国企業にもビジネスチャンスが生まれているといえそうだ。