ドローン市場に商機 米新興2社、世界大手DJIに挑む
(CNN Business) 米国のドローンメーカーは、これまで世界のドローン市場で苦戦続きだった。しかし、最近、米国の新興企業2社が革新的な製品を開発した。両社はこれらの製品が中国のドローン大手DJIに対抗するための足掛かりになるかもしれないと考えている。さらに、米政府機関が安全上の懸念からDJI製ドローンの利用を禁止したことも両社にとって追い風となりそうだ。
米テスラとスペースXのOBが設立したシリコンバレーを拠点とする新興企業インポッシブル・エアロスペースはこのほど、最長2時間の飛行時間を誇るドローンを消防署、警察、捜索・救助隊向けに販売すると発表した。大半のドローンは1回の充電による飛行時間が約30分であることを考えると、最長2時間の飛行時間は大幅な進歩と言える。
別の新興企業スカイディオは、自律的にユーザーを追尾したり、進路上にある障害物を避けたりするドローンを作っている。これも他社の追随を許さない特徴だ。
しかし、現在のドローン市場は中国のDJIが圧倒的シェアを握っている。人気の商用ドローン「ファントム」で知られるDJIは昨年、27億ドルの売り上げを記録した。
2013年に発売されたファントムは、屋根の点検から捜索・救難活動まで、あらゆる用途に利用可能だ。正確なホバリングやライブ・ビデオ・ストリーミングといった高度な機能を備え、さらに1500ドル(約17万円)という価格の安さも際立っている。
DJIの圧倒的な製造量に押され、競合他社の撤退が相次いでいる。今年初めに米ゴープロがドローン事業からの撤退を発表。また米3DRも昨年、ドローンの販売を中止した。
このように米国のドローンメーカーは苦戦を強いられているが、インポッシブル・エアロスペースの最高経営責任者(CEO)、スペンサー・ゴア氏は全く心配していない。
米国のハイテク企業が相次いで製造拠点を海外に移す中、インポッシブル・エアロスペースは自社製ドローンの設計・組み立てを米国で行う。