トヨタ自動車、富士山麓に「スマートシティー」建設へ
(CNN) トヨタ自動車はこのほど、自動運転車やスマートテクノロジー、生活支援ロボットの実証実験を行う「未来都市」を富士山麓に建設すると発表した。
米ラスベガスで開催されているデジタル技術見本市「CES」で、豊田章男社長が構想を明らかにした。
「ウーブン・シティ」と名付けられたこの街は、トヨタの工場跡地を利用し、来年着工する予定。豊田氏は「人工知能(AI)を知能増幅(IA)に転換したい」と語った。
「ウーブン・シティ」は来年着工する見込み/Toyota/Bjarke Ingels Group
敷地面積は約71万平方メートル。水素燃料電池や太陽光パネルを使って「完全に持続可能」な街をつくる。完全自動運転の無公害車だけを走らせ、同社の電気自動車(EV)「イー・パレット」で商品などを配送する。
イメージには歩行者や車などが描かれている/Toyota/Bjarke Ingels Group
当初は同社の従業員と家族ら2000人が入居する見通しだ。
都市設計はデンマークの著名建築家、ビャルケ・インゲルス氏が率いるBIGが担当。木造を主体とした建物に、日本古来の木工技術や屋根の形を取り入れる。
都市には木造を主体とした建築が建設される見込み/Toyota/Bjarke Ingels Group
住居内ではAIが冷蔵庫の中身を補充したりごみを出したり、健康状態をチェックしたりして生活を支援する。
電力や水道関連の施設は地下に埋め込み、地上には広場や公園、遊歩道を設ける。インゲルス氏は、現代のテクノロジー社会からは人々が自然に集まる場所が消えつつあると指摘。ウーブン・シティでは都市空間の中で交流を促す方法を探ると話し、人と人がつながることによって幸福や生産性、技術革新が生まれると強調した。