「投票用紙」燃やす動画は偽物、現地当局が発表 トランプ氏息子も共有
(CNN) 米バージニア州バージニアビーチの当局者は6日までに、大統領選の投票用紙を燃やす様子を映したとみられる動画がネット上で拡散している問題について、映像の内容が偽物だとの見方を示した。同市内で撮影されたという当該の動画では、トランプ氏に投じられた約80枚の「投票用紙」が燃やされているように見えるという。
動画は3日にネット上で公開されていた。その中では男性が1人、投票用紙らしき紙片でいっぱいになったビニール袋に可燃性の液体をしみこませて火をつけている。男性は顔を映さず、燃えた80枚の「投票用紙」はすべてトランプ氏に投じられたものだと主張する。撮影場所への言及はないが、用紙の種別はバージニアビーチに属するものだ。
しかし、これらの投票用紙は本物ではない。バージニアビーチ市は投票用紙について、明らかにサンプルの用紙であり公式の投票用紙ではないと明言。3日午後に声明を出し、「公式の用紙に記されているバーコード」がないと指摘した。また公式の投票用紙を提示し、動画のスクリーンショットと比べて見せた。
バージニアビーチ市の幹部はCNNの取材に答え、迅速に虚偽の内容である点を強調し、誤情報の拡散を防ぎたかったと説明した。現在警察や消防が、事態の調査に乗り出しているという。
3日の時点で虚偽と確認されたにもかかわらず、動画はソーシャルメディアで拡散を続けた。4日午後には右翼系メディアのサイトに掲載されたほか、トランプ大統領の息子のエリック氏もこれを共有した。
エリック氏の共有した動画は約120万回再生された。CNNは同じ動画が他の3つのサイトに投稿されているのを確認。3サイト合計での再生回数は11万5000回を超えていた。
エリック氏が動画をリツイートしたアカウントは現在停止されている。従ってエリック氏のツイッターから当該の動画を閲覧することはすでに不可能になっている。