ビットコインが2万8000ドル突破、高騰続ける背景は
ニューヨーク(CNN Business) 暗号通貨(仮想通貨)ビットコインの高騰が止まらない。27日の取引では一時、1ビットコイン=2万8000ドル(約290万円)を突破する場面もあった。
ビットコインが2万ドルを初めて突破したのは今月16日。今や3万ドルが視界に入る。
ビットコインの急騰は、見る人のリスク選好度によって印象的とも狂気とも映るが、そこには一定の論理がある。投資家が新型コロナウイルス禍のさなかにビットコインなどの暗号通貨に資金を投入する背景には、連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利をゼロ付近に引き下げ、米ドルを大きく弱体化させている状況がある。
これにより、比較的にみてビットコインの通貨としての魅力が高まった。ビットコインの発行数には上限があるため、投資家は供給数が上限に達すれば、価値は上昇する一方だと踏んでいる。
運用規模の大きい著名投資家がビットコインの保有量を増やし、消費者向けの大企業がビットコインを受け入れていることも追い風だ。一般投資家にとっては暗号通貨がお墨付きを得た格好で、その魅力はさらに高まっている。たとえば資産運用大手ブラックロックの幹部は最近、暗号通貨が金に取って代わる可能性に言及。米決済大手スクエアとペイパルは、ビットコインを受け入れる方針を示した。
ただ、最近の急騰には「メルトアップ」の兆候が見られる。市場のファンダメンタルズ(基礎的条件)だけでなく、上げ相場に乗り遅れることへの懸念から投資が過熱している状況だ。
投資会社スカイブリッジ・キャピタルの創業者、アンソニー・スカラムッチ氏は自らも大量のビットコインを保有するが、その同氏でさえ警戒が必要だと指摘している。