ビットコインが一時8%下落、月間の下落率は10年近くで最悪に
ニューヨーク(CNN Business) 暗号資産(仮想通貨)ビットコインは28日の取引で一時8%下落し、5月の下げ幅は約36%に上った。月間の値動きとしては2011年9月以来、最悪となった。
ビットコインは4月に6万4000ドル(約700万円)超を付けて以降、相次ぐ悪いニュースを受け暴落している。
米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はこのほど、ビットコインに関する方針を転換。ビットコイン採掘が環境にもたらす影響への懸念を理由に、テスラはビットコインでの支払い受付を停止すると顧客に表明した。ビットコイン採掘はエネルギー集約度が極めて高い。
ただその後、マスク氏は態度をやや軟化させている。米マイクロストラテジーの最高経営責任者(CEO)でビットコイン普及に取り組むマイケル・セイラー氏の要請を受け、北米のビットコイン採掘業者数社のトップと会談してエネルギー使用面の懸念について話し合うことに同意した。
また、中国は暗号資産の規制強化を進めているほか、米財務省はビットコインに対する課税強化案を発表。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は「デジタルドル」導入の可能性を示唆している。
ビットコイン暴落の影響は他の仮想通貨にも及ぶ。今月はバイナンスコインやリップル(XRP)、ポルカドットといった通貨も大幅な下げを記録した。
ただ、ビットコインに次ぐ規模を誇るイーサリアムをはじめ、持ちこたえている暗号資産もある。イーサリアムのプラットフォーム上で使用される仮想通貨イーサーの下げ幅は約6%にとどまる。