ウィーチャット、豪首相のアカウントが使用不能に
シドニー/香港(CNN Business) 中国発の対話アプリ「微信(ウィーチャット)」上で、モリソン豪首相のアカウントが使用不能になっていることが明らかになった。
豪連邦議会の情報・安全保障合同委員会を率いるパターソン上院議員が24日、豪メディアとのインタビューで、モリソン氏のアカウントは「ハッキングされた」と発言。アクセスを試みても、中国系オーストラリア人の団体を名乗るアカウントに転送されてしまうと指摘した。
モリソン氏のアカウントは7万6000人のフォロワー登録があり、中国系オーストラリア人との対話などに活用されていた。
ウィーチャットを運営する親会社のIT大手、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)は、同氏のアカウントがハッキングされた形跡はないとしている。
テンセントの広報担当者はCNN Businessに、アカウントはもともと中国の個人名で登録されていたが、現在運営している中国のIT会社に移管され、今後もウィーチャットの規定に沿って扱われると説明した。
パターソン氏がスカイニュース・オーストラリアに語ったところによると、アカウントに投稿できない問題は昨年半ばから続いている。豪政府はウィーチャットに復旧を求めてきたが、返答はないという。
同氏はこれについて、豪中間の緊張が昨年さらに高まり、モリソン氏が主要7カ国首脳会議(G7サミット)で中国の脅威を訴えた時期に重なるとの見方を示す。
中国外務省の報道官は24日の会見で、この問題についての質問に「モリソン氏とウィーチャットの問題だ」と答え、それ以上のコメントは避けた。