ロシア、米メタへの捜査開始 ヘイトスピーチ関連の規約変更で
ニューヨーク(CNN Business) ロシア捜査委員会は11日、交流サイト大手フェイスブックを傘下に持つ米メタの従業員がロシア国民に対する「殺人や暴力」を違法に呼び掛けたとして、同社の刑事捜査に着手したことを明らかにした。
これに先立ち、メタはヘイトスピーチ(憎悪表現)に関する規約を一時的に変更していた。変更はフェイスブックやインスタグラムの一部ユーザーがウクライナに侵攻するロシア軍への暴力的な感情を表現することを容認する内容。
同捜査委員会は声明でこれに言及しつつ、メタの従業員がロシア国民に対する「殺人や暴力の違法な呼び掛け」を行ったと指摘した。
その上で、これらの行為には、過激主義活動の呼び掛けやテロ活動のほう助といった連邦刑法上の犯罪の兆候が含まれていると述べた。
CNN Businessはロシアの刑事捜査に関してメタにコメントを求めたものの、現時点で返答はない。ただ、同社は10日の声明で、規約変更はウクライナ侵攻の文脈以外での暴力の呼びかけを容認するものではないとの立場を示した。
メタは声明で規約変更について「進行中のウクライナ侵攻を踏まえ、戦争の影響を受ける人が侵攻軍に対して『ロシア人侵略者に死を』などの暴力的な感情を表現できるよう、一時的に例外を設けた。これは侵攻に直面する人々の声と表現を守るための一時措置だ」と説明。これまで通り、侵攻の文脈以外でロシア人への暴力を呼び掛けることは禁止するとしている。