フェイスブック親会社メタ、1万1000人の削減発表
ニューヨーク(CNN Business) フェイスブック親会社の米メタは9日、従業員1万1000人の削減を発表した。
メタは主力事業がさまざまな課題に直面する中、不確実なメタバース事業に軸足を移そうと巨額の賭けに出ていた。米国ではIT各社がインフレや金利上昇、景気後退への懸念から、ここ数カ月で相次ぎ人員削減に踏み切っている。
「今日はメタ史上、最も困難な課題を共有する」。メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は従業員向けのブログにそう書き込んだ。「チームの規模を約13%縮小し、我々の才能ある従業員1万1000人あまりを削減することにした」
ザッカーバーグ氏はさらに、来年の採用数は減らすと述べ、採用の凍結はわずかな例外を除いて来年1~3月期まで延長すると付け加えた。
米証券取引委員会(SEC)への提出書類によると、メタの従業員数は9月の時点で8万7000人を超えていた。
メタは広告収入が落ち込む一方で、仮想空間メタバース事業に巨額を投資。昨年1兆ドルを突破した時価総額は、2500億ドル前後にまで急落している。
「私はそうした決定と、我々がここまで至ったことの責任を取りたい」「これが誰にとっても厳しいことは分かっている。特に影響を受けた皆さんに申し訳なく思う」(ザッカーバーグ氏)
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けて世界はオンラインへと移行し、電子商取引が急増してメタの収益は大きく伸びたと同氏は指摘。「パンデミックが終わってもそれが続くと多くの人が予想した。私もそうだった。だから投資を大幅に増やす決断をした。だが残念ながら、私が予想した通りにはならなかった」と述べ、「私は間違っていた。その責任は取る」と言い添えた。