中国、未成年者による携帯電話の使用制限を提案 最長で1日2時間まで
香港(CNN) 中国の規制当局が2日、子どもや10代の若者による携帯電話の使用時間を減らすための新たな施策を提案した。ネット依存の問題に対処するのに加え、「優れた道徳規範」と「社会主義的価値観」とを未成年者の間で育てる狙いがある。
中国国家インターネット情報弁公室(CAC)が公表した提案では、あらゆる携帯端末、アプリ、アプリ配信サービスに対し、「未成年モード」の実装を義務づけている。このモードが稼働するとユーザーの年齢層に応じて画面を見られる時間に制限がかかる。最も長くて1日2時間となっている。
中国政府は近年、子どもたちが画面を見る時間を限定する施策を複数打ち出している。これには「好ましくない情報」に触れる機会を減らす意図もある。
今回の提案を巡っては、来月2日まで一般からの意見を募集する。提案によれば子どもや10代の使用する未成年モードの端末は、それぞれの年齢に応じた使用時間に達すると自動的にオンラインアプリが閉じる仕組みとなっている。また使用できるコンテンツの内容も「年齢に基づいた」ものになるという。
未成年モードの場合、8歳未満の子どもが携帯電話を使用できる時間は1日40分のみ。8~16歳までは同1時間、16歳以上18歳未満は同2時間としている。
どのグループにも、使用時間が30分を過ぎると休息を取るよう促す通知が届く。
提案はネットサービスの供給業者に対しても「社会主義的価値観の中核部分を広める」、また「中国国家における共同体意識を強める」コンテンツを積極的に作成することを促している。
時間制限は未成年者の親たちによって解除できるようになる見通し。特定の教育機関や緊急サービスも、時間制限の影響は受けないとしている。
CNNが取材した親たちからは、提案に対して前向きな声が上がった。具体的には子どもたちの視力の保護や、コンテンツがより前向きで健康的なものになるといった意見が出た。
一方、ハイテク企業にとっては新たな施策が課題をもたらすことになりそうだ。これらの企業は通常、種々の規制の実施に責任を負う。
中国ではここ数年、規制当局が大手ハイテク企業に対して厳しい措置を打ち出す事例が続いてもいた。
CNNは携帯電話メーカーの小米科技(シャオミー)、アップル、ファーウェイにコメントを求めている。