中国の一帯一路構想への参加、「ひどい決定」 伊国防相
(CNN) イタリアのクロセット国防相は3日までに、同国が2019年に中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」に加わる決定を下したことについて「ひどかった」と当時の政権の選択を批判する考えを示した。
イタリアの現政権は、同構想への参加継続の是非を検討しているとされる。国防相は地元紙コリエレ・デラ・セラとの会見で、構想への加入はイタリアの輸出増大に何ら寄与しなかったとも断じた。
イタリアは主要な西側先進国として唯一、構想のメンバー国となった。G7(主要7カ国)の加盟国でも同国のみとなっている。
クロセット氏は会見で、参加はコンテ元政権による行き当たりばったりのひどい政策判断の結果だったとし、二つの悪しき影響をもたらしたと主張。「イタリアは多量のオレンジを中国に輸出していたが、中国は3年の間にイタリア向けのオレンジ輸出量を3倍に増やした」と指摘。
「最も馬鹿げているのは何らかの協定に署名していないフランスが近ごろ、同国製の航空機を数百億ドル規模で中国に売り付けたことだ」と続けた。
その上で、現在の課題は中国との関係を損なわずにどうやって同構想から抜け出す方途だとも述べた。中国は「競争国だが、パートナー」とも位置づけた。
イタリアの「一帯一路」構想への加入は2024年に期限切れとなる予定。同国のメローニ首相は今年、構想から離反しても中国との「良き関係」を持つことは可能との考えを示してもいた。