トランプ氏の純資産、倍増との推計 SNS運営会社の合併完了受け
ニューヨーク(CNN) トランプ前米大統領が立ち上げたソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」を運営するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループが、株式公開に向けた合併契約を完了した。これにより巨額の棚ぼた利益を手にしたトランプ氏の純資産は倍増している。
トランプ・メディアがナスダック市場で株式の取引を26日に開始すると発表した後、トランプ氏はブルームバーグ通信の「ビリオネア(億万長者)インデックス」が定める世界の大富豪500人に初めて名前を連ねた。
ブルームバーグ通信の推計によれば、トランプ氏の純資産は25日だけで40億ドル(約6000億円)増加し、65億ドルになった。トランプ・メディアとデジタル・ワールド・アクイジションとの合併完了を受けて巨額の利益が転がり込んだ形だ。
ただロックアップ契約の制限により、トランプ氏は数カ月間株式を売却できない公算が大きい。
合併会社のデビン・ニューネス最高経営責任者(CEO)は声明で、今後の事業の目指すところとして、「インターネットをビッグテックの検閲から取り戻す」ことを挙げた。
一方で専門家らは、トランプ・メディアの経済的基礎条件を念頭に、市場が同社を過大評価していると警告する。
米証券取引委員会(SEC)への提出文書によると、トランプ・メディアの昨年1~9月売り上げはわずか340万ドルだった。同期間の純損失は4900万ドルとなっている。
トゥルース・ソーシャルのiOSとアンドロイドにおける米月間アクティブユーザー数も、前年比で39%減少している。調査会社シミラーウェブがCNNと共有したデータで明らかになった。