NY州司法長官、トランプ氏の資産差し押さえの準備に着手
(CNN) トランプ前米大統領と関連企業の不正をめぐる民事訴訟でニューヨーク州地裁が巨額の支払いを命じた問題で、同州司法長官のオフィスが州内のウェストチェスター郡に判決を登録していたことが22日までに分かった。州側がマンハッタンの北に位置するトランプ氏のゴルフコースと私有地を差し押さえる準備をしていることを示す最初の兆候となる。
判決の登録が行われたのは今月6日。その1週間前にはニューヨーク州地裁のアーサー・エンゴロン判事がトランプ氏や息子らに対し、4億6400万ドル(約690億円)の支払いを命じる判決を出していた。
トランプ氏は支払いを命じた判決に対して控訴しているが、控訴に必要な巨額の保証金を確保するのが困難となっている現状は、自身の大富豪のイメージに直接的な打撃を与えている。訴訟費用と大統領選の選挙資金に充てるため、同氏は一段の資金の調達を試みている。
判決の登録は、債権者が資産を回収しようとする際の最初の措置となる。資産が差し押さえられる場合には、続いて資産に抵当権を設定する、抵当権の受け戻し権を無効にするといった措置がとられる。
判決の登録はニューヨーク市に対しては既に行われている。トランプ氏は同市内にトランプタワーやホテル、多くの住宅などの資産を所有する。
自宅である「マール・ア・ラーゴ」やゴルフリゾートがあるフロリダ州のマイアミ、パームビーチ両郡、所有するホテルのあるイリノイ州クック郡では、まだ判決の登録は行われていない。CNNが21日、記録を確認して明らかにした。
トランプ氏は保証金納付の期限となる今月25日までに資金を確保するか、控訴裁判所に働きかけてより少ない金額での納付を認めさせる、もしくは上訴が終わるまで支払い義務を延期させるといった措置をとる必要がある。
21日には自身のソーシャルメディアへの投稿で、支払いを命じられた金額が極めて高額であることを改めて強調した。