グーグル親会社、セキュリティー企業の買収を協議 同社史上最高の3.6兆円
ニューヨーク(CNN) 米グーグルの親会社アルファベットは、急成長中のサイバーセキュリティーの米新興企業ウィズを約230億ドル(約3兆6000億円)で買収する協議を進めている。事情に詳しい人物がCNNに確認した。
クラウドコンピューティング向けサイバーセキュリティーソフトウェアを製造しているウィズの買収は、グーグルにとって過去最大規模の買収となる。
ウィズは今年5月、ベンチャーキャピタルから10億ドルを調達していた。
情報筋によると、取引条件はまだ確定しておらず、協議が決裂する可能性もある。
グーグルとウィズの協議は、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が最初に報じた。
グーグルとウィズにコメントを求めたが、いずれも応じなかった。
この取引は、グーグルが約10年前に同社史上最高額となる125億ドルでモトローラを買収したときの金額を優に上回る。グーグルはわずか2年後、買収時よりもはるかに低い金額でモトローラを売却した。
230億ドルという価格は、ウィズの直近の資金調達ラウンドでの評価額である120億ドルのほぼ2倍に相当する。
2022年3月、アルファベットはサイバーセキュリティー企業マンディアントを54億ドルで買収した。これは、顧客企業がサイバー空間の脅威に適切に対処できるよう支援し、クラウドコンピューティング事業を強化する取り組みの一環だ。
ニューヨーク市に拠点を置くウィズは20年3月に創業して以来、爆発的な成長を遂げている。同社によれば、現在、フォーチュン100企業の40%が同社の顧客だという。
大手顧客にはBMW、スラック、セールスフォースなどがあり、アマゾンやマイクロソフト、グーグルなどの大手クラウド企業とも提携している。