「マスク氏ファンの男性は本人」説、偽り見抜いたジャーナリストのXアカウント停止

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第10回ブレイクスルー賞の授賞式に到着したイーロン・マスク氏=24年4月13日/Jordan Strauss/Invision/AP

第10回ブレイクスルー賞の授賞式に到着したイーロン・マスク氏=24年4月13日/Jordan Strauss/Invision/AP

(CNN) 「イーロン・マスク氏のファンと称する男性は、実はマスク氏本人だった」とする説を否定したジャーナリストが、自身のXアカウントを停止され、Xに問題の記事のリンクを投稿することもできなくなったと訴えている。

ジャーナリストのジャクリーン・スウィート氏は、英紙スペクテイターへの寄稿で、フィジー在住と思われるエイドリアン・ディットマンという名の男性のXアカウントについて、マスク氏本人のアカウントではないと指摘した。

ディットマン氏のアカウントは、マスク氏に対して好意的な内容を頻繁に投稿していた。声もマスク氏と不気味なほど似ており、X上で何度かマスク氏と会話を交わしたこともある。自分はさまざまな場所で育って今はオセアニアに住んでいるが、追いかけられるのが怖いのでそれ以上の情報は明かしたくないとも述べていた。

マスク氏がXで別人になりすましているのではないかという説は、ここ数日の間にさまざまなメディアが取り上げていた。しかしスウィート氏は、スイス人のハッカーやジャーナリストのライアン・フェー氏とともに調査に乗り出し、ディットマン氏を名乗るアカウントが実際に、フィジー在住のエイドリアン・ディットマン氏という男性のものだったことを突き止めた。

スウィート氏がこの記事へのリンクをXに投稿すると、マスク氏は冗談交じりに「私はエイドリアン・ディットマンだ。世界が知るべき時が来た」とリプライした。

スウィート氏はこのやり取りの後、5日にアカウントが停止されたと訴えている。スイスのハッカーとフェー氏も同じだった。6日午後現在、スペクテイターの記事も、スイスのハッカーやフェー氏のブログもリンクをXに掲載することはできず、ダイレクトメッセージ機能を使って送信することもできない。

スペクテイターの記事へのリンクをXに投稿しようとすると、「どこかおかしいようです。でも気にしないでください。もう一度やってみましょう」というメッセージが表示された。

ダイレクトメッセージ経由で送信を試みると「このリクエストは自動化されているようです。ユーザーをスパムなどの迷惑行為から守るため、今はこの動作を完了できません。あとでもう一度試してください」と表示された。

スウィート氏は5日、競合するSNSのブルースカイに、マスク氏がリプライした自分の投稿が削除され、自分のアカウントが30日間停止されたと書き込んだ。Xから届いたという通知のスクリーンショットには、「個人情報の掲載」に関するXの利用規定違反を理由にアカウントが停止になったと記されていた。

スウィート氏は、自分はディットマン氏の個人情報を暴露していないと訴えている。

「エイドリアン・ディットマンは自分の別アカウントだと信じている批評家を笑いものにするという馬鹿馬鹿しいゲームを私が台無しにして、彼のおもちゃを奪って家に帰ったから、イーロンが腹を立てているのだろう」(スウィート氏)

スペクテイター米国版エディターのマット・マクドナルド氏は6日の記事の中で、問題とされた記事ではディットマン氏の電話番号や電子メールといった個人情報は一切明かしていないと指摘。「エイドリアン・ディットマンが誰かということよりも、誰でないのかということの方が重要だ」と述べ、ディットマン氏がマスク氏ではなかったと証明することは、明らかに公共の利益があり、ニュース価値があるとした。

ディットマン氏自身も、自分はイーロン・マスク氏ではないとXに書き込んでいる。

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