世界の舞台で健闘、タスマニア産ウイスキー
タスマニア産ウイスキーの先駆者ビル・ラーク氏いわく、シングル・モルト・ウイスキー造りは科学、芸術、情熱の融合だ。
ラーク氏が、「Lark Distillers Selection」ブランドのウイスキーで使用する油を豊富に含んだ大型の大麦は、ウイスキーに香ばしさと香りを与える。同ウイスキーは2009年にオーストラリアのベスト・シングル・モルト・ウイスキーに選ばれた。
拡大する世界のウイスキー需要
ホバート郊外のケンブリッジにあるサリヴァンズ・コーヴ蒸留所は、ジム・マーレイ氏の「ウイスキー・バイブル」で96.5点以上を獲得するなど、これまで数々の賞や称賛を得てきた。
しかし、同蒸留所の年間生産量はわずか2万リットルしかなく、主任ディスティラーのパトリック・マグワイア氏によると、オーストラリア国内の需要を満たすのも難しく、まして中国やインドからの大量の問い合わせには全く対応できない状況だという。
マグワイア氏は「品質の維持こそが我々の適切な態度だ」とし、「我々は成長しているが、巨大な蒸留所になることはない」と付け加えた。
オーストラリアで唯一、水力製粉機で大麦を製粉しているナント蒸留所のオーナー、キース・バット氏の目標は、ウイスキーバーのネットワークを通じてナントを世界的ブランドに育てることだ。
バット氏は「現在、5つのウイスキーバーを所有しており、ブリスベンに2店、シドニー、メルボルン、ホバートにそれぞれ1店ずつある。間もなくロンドンに新たなバーをオープンする」と述べ、さらに「5年以内にニューヨークなど、世界中の都市に70店のバーを開くのが目標」と付け加えた。